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 2011年3月30日は、メキシコ・シティから日帰りで、メキシコの世界遺産「古代都市テオティワカン」(Pre-Hispanic City of Teotihuacan) のあるテオティワカン (Teotihuacan) を訪問してきました。

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テオティワカン (Teotihuacan) とは?

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 テオティワカン (Teotihuacan:ナワトル語では Teōtīhuacān) は、メキシコ・シティから北東約50kmの地点にあり、紀元前2世紀から8世紀頃まで繁栄した、テオティワカン文明の中心となった巨大な古代都市の遺跡です。

 アメリカ大陸で最大規模のこの都市遺跡を築いた民族はいまだに不明ですが、紀元前200年前後からそれまでの小集落が統合し始め、大規模な都市に発展したと考えられています。

 テオティワカンは、紀元350年から650年頃に最盛期を迎え、その当時は、都市域が36㎢を超え、人口もおよそ15万人を超えていたようです。なお、この地で誕生・発展した宗教、文化、芸術は、その後、メソアメリカ一帯に多大な影響を与えたそうです。

 しかし、テオティワカンは、8世紀頃には廃墟と化したようです。その原因は解明されていませんが、650年頃に大規模な火災があったことが確認されており、内紛や戦争が原因ではないかとも推測されています。

 14世紀に入って、廃墟と化していたこの地にメシカ人 (アステカ人) が侵入すると、彼らは伝説となっていたこの土地を、神々が集い、月と太陽を創造した聖地であると解釈しました。そして、この地を「神々が集う場所」を意味する「テオティワカン」と命名しました。

 16世紀になって、スペイン人がアステカ帝国を征服したものの、スペイン人たちはこの遺跡の意味を理解できず、発掘調査等は行われませんでした。

 発掘調査は、メキシコ独立後の1884年になってから開始されましたが、現在でも全体の10分の1程度しか発掘されていないという状況で、実態の多くは今なお謎に包まれているという状況です。

 テオティワカンでは、太陽のピラミッドをはじめとする約600基のピラミッドや宮殿などが整然と建設されていました。ほとんどの建造物の基壇は「タルー」と呼ばれる傾斜した石壁と、「タブレロ」と呼ばれる垂直な石壁を交互に積み上げて作られていますが、この建築様式は「タルー・タブレロ式」と呼ばれています。

 テオティワカンの主な遺構および建造物としては、太陽のピラミッドのほか、月のピラミッド、死者の大通り、ケツァルコアトルの神殿、ケツァルパパロトルの宮殿があります。

 テオティワカンは、「古代都市テオティワカン」(Pre-Hispanic City of Teotihuacan) として、1987年に世界遺産(文化遺産)に登録されました。
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【参考文献】
 世界遺産検定事務局『すべてがわかる世界遺産大事典<下>』(世界遺産アカデミー、2012年)
 地球の歩き方編集室『地球の歩き方 メキシコ '11〜12』(ダイヤモンド社、2010年)

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ケツァルコアトルの神殿  (Templo de Quezalcoati)

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  • 四方を城壁に囲まれた神殿です。
  • 前面がケツァルコアトル (羽毛の蛇、水と農耕の神) とトラロック (雨の女神) の彫像などのレリーフで覆われています。
  • メキシコ・シティの国立人類学博物館 (Museo Nacional de Antropología) の第5室「テオティワカン」では、実物大に復元された巨大なケツァルコアトル神殿 (レプリカ) が置かれています。
【参考記事】
 「メキシコ・シティを訪問するのであれば「国立人類学博物館 (Museo Nacional de Antropología)」は必見!!

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太陽のピラミッド (Piramide del Sol)

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 以下は、太陽のピラミッドの頂上からの風景です。月のピラミッドを見ることができます。
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 定番のスポットから撮影した「太陽のピラミッド」です。
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  • 太陽のピラミッドは、高さ65m、底辺222m×225m の巨大な神殿で、テオティワカンの中では最大の建築物で、世界でも3番目の大きさを誇るそうです。
  • このピラミッドは、宗教儀式のために建造されたもので、平坦な頂上には以前神殿が建っていたそうです。
  • 巨大なピラミッドの内部には、もう一つピラミッドが眠っているそうです。すなわち、古い神殿を覆うように新しい神殿が造られています。

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死者の道 (La Calle de los Muertos)

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  • 死者の道は、南北に貫く都市のメインストリートで、長さ4km、幅45mあるそうです。
  • ただ、テオティワカンを南北に貫く死者の道は、正確には北から東の方向に15度30分だけ傾いています。
  • また、道は北端と南端とで2.7mの落差があり、緩やかに傾斜しています。

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月のピラミッド (Piramide de la Luna)

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 以下は、月のピラミッドから撮影した風景です。太陽のピラミッドも見えます。
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  • テオティワカンでは、太陽のピラミッドに次いで2番目に大きなピラミッドです。
  • 月のピラミッドは、高さ47m、底辺140m×150mあり、350年頃に造られたと考えられています。
  • なお、太陽のピラミッドより高さは低いものの、やや隆起したところに建てられているため、頂上の高さはほぼ同じだそうです。
  • また、建築物の重要度も月のピラミッドの方が高く、大きな宗教儀礼は、月のピラミッドを中心に行われていたと推定されています。

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多くの謎に包まれた「テオティワカン」は、ロマンを掻き立てられる古代都市遺跡

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 テオティワカン (Teotihuacan) は、8世紀頃になぜ滅亡したのか、当時の人々はどこに消えたのか等、さまざまな謎が今なお残されたままですが、現実に遺跡は残されている訳ですので、当時の様子を想像しながら遺跡を回るのも実に楽しいものがあるように思います。

 なお、メキシコ・シティから日帰りで気軽に訪問できることができます。具体的には、メキシコ・シティの北方面バスターミナルから、所要1時間ほどで訪問することができますので、メキシコ・シティに滞在する機会に恵まれた場合には、ぜひテオティワカンも訪問してみてください。

【参考文献】
 世界遺産検定事務局『すべてがわかる世界遺産大事典<下>』(世界遺産アカデミー、2012年)
 地球の歩き方編集室『地球の歩き方 メキシコ '11〜12』(ダイヤモンド社、2010年)

Best wishes to you !!


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