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アンコールの遺跡群 (Angkor) とは?
カンボジア王国の北西部に広がる熱帯雨林に囲まれた「アンコールの遺跡群」(Angkor) は、12世紀前半、アンコール朝のスールヤヴァルマン2世 (Suryavarman II) が建設を開始したアンコール・ワットや、1181年に王位に就いたジャヤヴァルマン7世 (Jayavarman VII) が着工したアンコール・トムに代表される都市遺跡です。802年頃にクメール人が興して以降、アンコール朝の王は、代々即位のたびに都城と寺院を造営し、自らを神格化しました。9世紀後半に王位にあったヤショヴァルマン1世 (Yaśovarman I) がヤショダラプラと呼ばれた地を王都として以降、何世紀にもわたって歴代の王の絶対的な権力が反映された高い芸術性に富んだ都城や寺院などが建設されました。
しかし、1431年頃、西隣のタイのアユタヤ朝に攻められ、アンコール朝は滅亡してしまい、アンコールの建造物群もジャングルに打ち捨てられてしまいました。
その後、1860年にフランスの博物学者アンリ・ムオにアンコールの遺跡群が発見されると世界の注目を集めることとなりましたが、1970年代にカンボジアの内戦が始まると、アンコールの遺跡群も破壊や崩壊の危機にさらされることになってしまいました。
カンボジア内戦が停戦された翌年の1992年に、アンコールの遺跡群は、世界遺産に登録されると同時に危機遺産リストにも登録されました。その後、日本などによる修復支援や保存作業が行われ、2004年に危機遺産リストから脱しました。
アンコールの遺跡群で最大の寺院は、幅190mの外堀に囲まれた面積約2k㎡のアンコール・ワットです。なお、クメール語で「アンコール」は「街」を、「ワット」は「寺院」を指します。ヒンドゥー教の宇宙観を表していて、中央にある高さ約65mの尖塔と四方の塔の計5基は、地球の中心に位置し神々が住むとされる5つの頂をもつ須弥山を具現化しているそうです。
本殿を囲む三重の回廊は、内側ほど高くなっていて、もっとも外側の第1回廊は周囲約800mにも及んでいます。50mも続くヒンドゥー神話をもとにした「乳海攪拌」の場面をはじめ、壁面全体がスールヤヴァルマン2世 (Suryavarman II) の更新、天女アプサラスや女神デヴァター、あるいはあるいはインドの叙述詩「ラーマーヤナ」などをモチーフにした緻密な浮き彫りで埋め尽くされています。
【参考文献】
世界遺産検定事務局『すべてがわかる世界遺産大事典<上>』(世界遺産アカデミー、2012年)
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アンコール・ワット (Angkor Wat) の場所
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西参道正面からアンコール・ワット (Angkor Wat) までの参道から見た景色






- 西参道正面からアンコール・ワットまでの参道から見た景色は、大変楽しむことができます。
- 参道を進むにつれて、中央に位置する3つの尖塔 (正確には5つあります) が、あるときは見え、あるときは隠れて見えなくなります。
- アンコール・ワットの建物の配置と、各々の建物の高さによる視覚表現の変化については、明らかに見せるための工夫と、見せないための工夫が随所になされているわけであるが、とりわけ「作為的に見せない」というアンコール・ワットの建築手法には、大変興味を惹かれました。
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アンコール・ワット (Angkor Wat) の第一回廊
『ラーマーヤナ』のラーマ王子が加勢するハヌマーンのサル軍と魔王ラーヴァナが率いる悪魔軍との戦い
ハヌマーン軍に対する、20本の腕と10の頭を持つ魔王ラーヴァナ












- 西面) 西面北側ではインド古代の叙事詩『ラーマーヤナ』、西面南側ではインド古代の叙事詩『マハーバーラタ』が描かれています。
- 南面) 南面西側は「スールヤヴァルマン2世の行軍」、南面東側は「天国と地獄」が詳細に描写されています。
- 東面) 東面南側は「乳海攪拌」、東面北側は「ヴィシュヌ神と阿修羅の戦い」が描かれています。
- 北面) 北面東側は「クリシュナとバーナ (阿修羅) との戦い」、北面西側は「アムリタを巡る神々の戦い」が描かれています。
個人的には、やはり「天国と地獄」の場面、とりわけ、おそらく私が行くことになるであろう「地獄の世界」が気になりました。
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アンコール・ワット (Angkor Wat) の定番風景


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Best wishes to you !!
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