
アメリカ合衆国の世界遺産「エバーグレーズ国立公園」(Everglades National Park) とは?

湿原の最大幅は約150kmに及びますが、平均水深はわずか30cmほどしかありません。また、水源のオキーチョビー湖 (Lake Okeechobee) から南のフロリダ湾に向かって、1日に数cmから数十mというゆっくりとしたスピードで水が流れています。
海水と淡水、温帯と熱帯の動植物が入り混じったエバーグレーズ国立公園の複雑な生態系内には、固有種を含む1,000種以上の植物と、アリゲーターとクロコダイルの2種類のワニを含めた700種以上の動物が見られます。
しかし、周辺の開発が進んだことで、1930年代から現在までの期間に、湿原内の魚類が約80%、鳥類が90%減少しているそうです。また、現在でも、フロリダピューマなど50種あまりの動物が絶滅を危惧されています。
エバーグレーズ国立公園は、1947年に、アメリカ政府によって国立公園 (National Parks) に指定され、さらに、1979年には「エバーグレーズ国立公園」(Everglades National Park) として世界遺産にも登録されましたが、マイアミなど周辺の大都市が大量の生活用水を湿原地帯から引いていることから、地下水位の低下や水質汚染が進み、1993年に危機遺産に登録されました。
その後、商業目的の漁業の禁止や湿地回復プロジェクトにより2007年に危機遺産リストを脱しましたが、水質汚染が改善されず、2010年に再び危機遺産に登録されました。
【参考文献】
世界遺産検定事務局『すべてがわかる世界遺産大事典 <下>』(世界遺産アカデミー、2012年)
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エバーグレーズ国立公園 (Everglades National Park) の主要なスポット
アメリカ合衆国の世界遺産「エバーグレーズ国立公園」(Everglades National Park) の主要なスポットとしては、以下のようなものがあげられます。<エバーグレーズ国立公園 (Everglades National Park) の主要なスポット>
<主要なスポット>
1. シャークバレー (Shark Valley)
2. エバーグレーズシティー (Everglades City)
3. ビッグサイプレス国立保護区 (Big Cypress National Preserve)
4. ロイヤルパーム (Royal Palm) (Anhinga & Gumbo Limbo Trails)
5. パハヨキー展望台 (Pa-Hay-Okee Overlook)
6. マホガニー・ハンモック (Mahogany Hammock)
7. ウエストレイク (West Lake)
以下は、2009年2月28日から3月2日にかけて訪問しました「エバーグレーズ国立公園」(Everglades National Park) の中で、私が実際に訪問したところを訪問順でご紹介いたします。
シャークバレー (Shark Valley)
私は、2009年2月28日から3月2日にかけて「エバーグレーズ国立公園」(Everglades National Park) を訪問したわけですが、まず2009年2月28日に訪問したところがシャークバレー (Shark Valley) です。

あちこちにアリゲーターもいます。






以下は、その展望台からの風景です。





ビジターセンターから湿原の中に舗装路が整備されていますが、マイカーで行くことはできず、トラムツアー (Tram Tour) を利用することとなります。以上は、トラムツアーで撮影した写真です。
もっとも、舗装路や展望台のような環境を破壊するものを建設したのか不思議に思っていましたが、NPSが土地を取得する前に、当時の土地の所有者であったOil会社 (Humble) が1946年に作ったものだということです。
もっとも、興味深かった話は、マイアミの人口が増加して以降、水不足に苦しんでいるということで、近くに大都市があるおかげで「エバーグレーズ国立公園」(Everglades National Park) が大きな影響を受けているという事実です。改めまして、国立公園の周りの土地利用規制を強化する必要性を実感した次第です。
この後、国立公園 (National Park) 周辺の土地利用規制について、Big Cypress National Preserve に行き、同じくNPSの方にインタビューをしました。

以上2枚の写真は、Bobcat Boardwalk Otter Cave Hammock Trail で撮影した写真です。この Trail は、NPSが土地を取得した後の1965年に「利用者のために」作ったとのことで、今では「間違いなく作ることは許されない」ということでしたが、当時でも、作る必要があったのか、理解に苦しみます。なお、こちらの Trail では、水不足を痛感した次第です。
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もっとも、舗装路や展望台のような環境を破壊するものを建設したのか不思議に思っていましたが、NPSが土地を取得する前に、当時の土地の所有者であったOil会社 (Humble) が1946年に作ったものだということです。
もっとも、興味深かった話は、マイアミの人口が増加して以降、水不足に苦しんでいるということで、近くに大都市があるおかげで「エバーグレーズ国立公園」(Everglades National Park) が大きな影響を受けているという事実です。改めまして、国立公園の周りの土地利用規制を強化する必要性を実感した次第です。
この後、国立公園 (National Park) 周辺の土地利用規制について、Big Cypress National Preserve に行き、同じくNPSの方にインタビューをしました。


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エバーグレーズシティー (Everglades City)



公園敷地のすぐ外側にある町エバーグレーズシティー (Everglades City) にビジターセンターとマリーナがあり、ビジターセンターでは、ボートツアーも行われています。以上の写真は、そのボートツアーで撮影した写真です。
ビッグサイプレス国立保護区 (Big Cypress National Preserve)


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ロイヤルパーム (Royal Palm) (Anhinga & Gumbo Limbo Trail)
以下は、2009年3月1日に訪問したところです。まず訪問したロイヤルパーム (Royal Palm) では、アンヒンガトレイル (Anhinga Trail) と、ガンボリンボトレイル (Gumbo Limbo Trail) の2つのトレイルを楽しみました。










アンヒンガトレイル (Anhinga Trail) は、水鳥を観察するのに最適な場所で、オオアオサギやヘビウなど多くの水鳥を観察することができます。なお、トレイルは1周800mで、手軽に楽しむことができるトレイルです。

2009年3月2日は、フロリダからキーウェスト (Key West) へ移動したのですが、その途中で、エバーグレーズ国立公園 (Everglades National Park) にちょっとだけ立ち寄り、サンライズを鑑賞したのですが、その後、アンヒンガトレイル (Anhinga Trail) もちょっと立ち寄ってきました。以上は、その時に撮影した写真です。



ガンボリンボトレイル (Gumbo Limbo Trail) は、アンヒンガトレイル (Anhinga Trail) の隣にあるトレイルで、ガンボリンボの木、コーヒーの木など、熱帯や温帯の植物が独特の景観を形成しています。ガンボリンボトレイルも1周800mで、手軽に楽しむことができるトレイルです。
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パハヨキー展望台 (Pa-Hay-Okee Overlook) では、ソーグラスが生い茂る"草原の川"の壮大な眺めを楽しむことができます。



2009年3月2日は、フロリダからキーウェスト (Key West) へ移動したのですが、その途中で、エバーグレーズ国立公園 (Everglades National Park) にちょっとだけ立ち寄り、サンライズを鑑賞してきました。以上の写真は、パハヨキー展望台 (Pa-Hay-Okee Overlook) から鑑賞したサンライズです。



マホガニー・ハンモック (Mahogany Hammock) には片道800mのトレイルがあります。マホガニーなどの樹木がジャングルを作り、その枝にランの花がひっそりと咲いています。
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ウエストレイク (West Lake) では、前日に引き続いてインタビューをしてきたわけですが、ちょっと感じたことをメモしておきます。要するに、自分に対してのメモです。
以上からお分りいただけますように、アメリカ合衆国の世界遺産「エバーグレーズ国立公園」(Everglades National Park) は、大湿原の魅力を存分に味わうことができる一方で、人間との共存についていろいろと考えさせられる場所であるように感じます。アメリカ合衆国のフロリダ州を訪問する機会に恵まれた際には、ぜひ「エバーグレーズ国立公園」(Everglades National Park) にもお立ち寄りください。
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アンヒンガトレイル (Anhinga Trail)














ガンボリンボトレイル (Gumbo Limbo Trail)




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パハヨキー展望台 (Pa-Hay-Okee Overlook)







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マホガニー・ハンモック (Mahogany Hammock)




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ウエストレイク (West Lake)




- 過剰利用 (Over Use) に関しては、おぼろげながらではありますが、改善策も考えられるように感じます。ただし、湿地(Wet Land)の場合、必ずしも景観が素晴らしいとは言えないため、他の景観が優れている国立公園ほどは、過剰利用の問題は生じていないような気もします。
- 国立公園の周辺の地域の土地利用規制 (Land Use Regulation) の問題は、課題が山積みです。Everglades National Park の場合も、周辺地域の土地利用規制の必要性は高いように感じます (NPSの人も認識している) が、管轄が異なっている場合には、なかなかうまくいかないようです。また、National Preserve については、NPSの管轄であるにもかかわらず、National Park への転換は考えていないとのことでしたが、なぜなのかはよく理解できませんでした。
- Everglades National Park を分断している道路は、1957年にNPSによって建設され、しかも、NEPAがまだ成立していなかったとはいえ、環境影響評価をすることなく建設されたということですが、米国でも、当初「環境の保全」よりも「環境の利用」に重点が置かれていたようです。しかし、別の見方をすれば、法律の力はやはり大きいといえそうです。
- 自然再生 (Restoration) については、いろいろと課題が残されているようです。
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大湿原の魅力を存分に味わうことができる一方で、人間との共存について考えさせられる「エバーグレーズ国立公園」(Everglades National Park)

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