2025年8月15日は、ベルギーの王立美術館 (フランス語では Musées Royaux des Beaux-Arts de Belgique, オランダ語では Koninklijke Musea voor Schone Kunsten van België) を訪問してきました。以下では、古典美術館 (Musée d'Art Ancien) を中心に、オススメ作品と見どころをご紹介いたします。
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ベルギー王立美術館 (Musées Royaux des Beaux-Arts de Belgique) の場所
以上の地図からもお分かりいただけますように、ベルギー王立美術館 (Musées Royaux des Beaux-Arts de Belgique) は、ブリュッセル王宮 (Palais Royal de Bruxelles) の近くに位置しています。
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ベルギー王立美術館 (Musées Royaux des Beaux-Arts de Belgique) とは?
ベルギー王立美術館 (Musées Royaux des Beaux-Arts de Belgique) は、ベルギーの首都ブリュッセルにある美術館です。1801年に設立され、1803年に正式にオープンして以来、200年以上の歴史を誇っています。
ベルギー王立美術館は、古典美術館、世紀末美術館、マグリット美術館、現在美術館など、6つの美術館から構成されていますが、メインとなる美術館は、15世紀から18世紀までの作品を収めた古典美術館 (Musée d'Art ancien / Museum voor Oude Kunst) と、19・20世紀の作品を収めた近代美術館 (Musée d'Art Moderne / Museum voor Moderne Kunst) です。
古典美術館では、とりわけ、ブリューゲルとルーベンスの大作が有名ですが、他にも、メムリンク、ボッシュ、ファン・デル・ウェイデンなどのフランドルの画家達の作品が充実しています。
なお、私は、王立美術館のほか、マグリット美術館 (Le Musée Magritte) の2つの美術館を訪問してきました。以下では、王立美術館とマグリット美術館のオススメ作品と見どころをご紹介いたします。
【参考文献】
『地球の歩き方 オランダ ベルギー ルクセンブルク』(株式会社地球の歩き方、2024年)
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古典美術館 (Musée d'Art Ancien)
前述のように、古典美術館 (Musée d'Art Ancien) は、ベルギー王立美術館の中でもメインとなる美術館です。とりわけ、ブリューゲルとルーベンスの大作が有名ですが、他にも、メムリンク、ボッシュ、ファン・デル・ウェイデンなどのフランドルの画家達の作品が充実しています。以下では、各階ごとにオススメの作品をご紹介いたします。
エントランスホール (Entrance Hall) (1階)
入り口を入ったところにあるエントランスホールです。案内所で無料の館内地図をもらうことができます。
以下、エントランスホールでオススメの作品をご紹介いたします。
Jan Verhas,The procession of the schools in 1878 (De optocht van de scholen in 1878)
Gustaf Wappers, Épisode des Journées de septembre 1830 sur la Place de l'Hôtel de Ville de Bruxelles
David Altmeid, Untitled 12 (Bodybuilders)
Constant Montald, The Fountain of Inspiration (la fontana dell'ispirazione, 1907) (『霊感の泉』)
15〜16世紀絵画 (Oldmasters) (2階)
フランドル絵画が黄金時代を迎えた15世紀、そして、ブリューゲルが活躍した16世紀のフランドル絵画を中心に、多くの名作が展示されています。
ロベルト・カンピン ? (Robert Campin)『受胎告知』(Annonciation) <70室>
「フレマールの画家 (Master of Flémalle)」という異名があるロベルト・カンピン (Robert Campin) の作品とされる『受胎告知』(Annonciation) です。
ファン・デル・ウェイデン (Rogier van der Weyden)『ピエタ』(Pietà) <70室>
『ピエタ』(Pietà) は、ロベルト・カンピンの弟子であるロヒール・ファン・デル・ウェイデン (Rogier van der Weyden) による作品です。
ペトルス・クリストゥス (Petrus Christus) 『哀歌』(The Lamentation) <69室>
ペトルス・クリストゥス (Petrus Christus) が1455-1460年に制作した作品『哀歌 (キリストの哀悼)』(オランダ語: De klaagzang, 英語: The Lamentation) です。なお、同じくペトルス・クリストゥスが1450年頃に制作した別の『哀歌 (キリストの哀悼)』が、ニューヨークのメトロポリタン美術館に所蔵されているそうです。
ディーリック・バウツ (Dieric Bouts) 『皇帝オットー3世の正義 : 無実の伯爵の斬首と火による試練』(Justice of Emperor Otto III: Beheading of the Innocent Count and Ordeal by Fire) <70室>
ディーリック・バウツ (Dieric Bouts) 『皇帝オットー3世の正義 : 無実の伯爵の斬首と火による試練』(Justice of Emperor Otto III: Beheading of the Innocent Count and Ordeal by Fire) です。『無実の処刑』と『火の試練』の2部作で構成されています。伝説によると、大帝の妻が家臣の伯爵に言い寄ったものの拒絶され、虚偽の罪を大帝に言いつけて処刑してしまう。伯爵の妻は焼けた鉄の棒を持って夫の無実をはらし、大帝は自分の妻を焚刑に処するという物語です。
ハンス・メムリンク (Hans Memling)『聖セバスチャンの殉教』(Le Martyre de Saint Sébastien) <69室>
15世紀にブルージュで活躍した画家ハンス・メムリンク (Hans Memling) によって1475年頃に描かれた『聖セバスチャンの殉教』(Le Martyre de Saint Sébastien) です。
ヒエロニムス・ボッシュ (Hieronymus Bosch)『聖アントニウスの誘惑』(Triptyque de la tentation de Saint-Antoine) <69室>
『聖アントニウスの誘惑』(あるいは、『聖アントニウスの誘惑の三連祭壇画』とも言います) (Triptyque de la tentation de Saint-Antoine : 英語では Temptation of St. Anthony) は、初期フランドル派の画家ヒエロニムス・ボッシュ (Hieronymus Bosch) が1501年頃に制作した三連祭壇画です。
ヒエロニムス・ボッシュ (Hieronymus Bosch)『磔刑』(Calvarie met schenker en sint Pieter) <69室>
『磔刑』(Calvarie met schenker en sint Pieter : 英語 Crucifixion With a Donor) は、初期ネーデルラント絵画の巨匠ヒエロニムス・ボッシュ (Hieronymus Bosch) が1480-1485年にオーク板上に油彩で制作した作品です。
ヘラルト・ダヴィト (Gerard David)『三賢王の礼拝』(L'adoration des mages) <69室>
ヘラルト・ダヴィト (Gerard David) によって描かれた『三賢王の礼拝』(L'adoration des mages : 英語 Adoration of the Magi) です。救世主の誕生を知った占星術師3人が贈り物を持って礼拝しています。3人は、それぞれ当時の三大陸であったアジア、ヨーロッパ、アフリカを象徴しているそうです (青年、壮年、老年の3世代を象徴しているという説もあるようです)。すなわち、イエスは、全世界、全人類の王であることを表しているそうです。
クエンティン・マサイス (Quentin Matsys)『聖アンナの家族』(Triptyque de la confrérie de Sainte-Anne à Louvain) <67室>
クエンティン・マサイス (Quentin Matsys) が1509年に制作した『聖アンナの家族』(Triptyque de la confrérie de Sainte-Anne à Louvain) です。
ピーテル・ブリューゲル (Pieter Bruegel I)『ベツレヘムの人口調査』(Volkstelling te Bethlehem) <68室>
『ベツレヘムの人口調査』(蘭: Volkstelling te Bethlehem, 英: The Census at Bethlehem) は、フランドルの画家ピーテル・ブリューゲル (Pieter Bruegel I) によって1566年に描かれた油彩画です。なお、ブリューゲルと呼ばれる画家で有名なのは3人いますが、一般にブリューゲルという場合、父ピーテル・ブリューゲル (Pieter Bruegel I) を指します。残りの2人は息子で、子ブリューゲルと呼ばれる長男 (Pieter Bruegel de Jonge (II) と、次男Jean Bruegel (III) です。この絵画は、父ブリューゲルの作品です。
ブリューゲル II (Pieter Bruegel de Jonge II)『ベツレヘムの人口調査』(Volkstelling te Bethlehem) <68室>
息子のブリューゲル II (Pieter Bruegel de Jonge II) が描いた『ベツレヘムの人口調査』(Volkstelling te Bethlehem) も同じ部屋に展示されています。
作者不明『イカロスの墜落』(Landschap met de val van Icarus) <68室>
『イカロスの墜落』(Landschap met de val van Icarus, 英語 : Landscape with the Fall of Icarus) は、長年16世紀のピーテル・ブリューゲルの作品であると考えられてきましたが、1996年の調査で、作者をブリューゲルとすることは極めて疑わしいとされるようになり、今では、無名の画家がブリューゲルのオリジナルを早期に模写した良質な複製画であると考えられているそうです。
フィリップ・ド・シャンパーニュ (Philippe de Champaigne)『神殿での奉献』(La présentation au temple)
フィリップ・ド・シャンパーニュ (Philippe de Champaigne) が1648年に制作した『神殿での奉献』(La présentation au temple : 英語 The Presentation in the Temple)です。
ダフィット・テニールス (David Teniers II)『L'archiduc Léopold Guillaume de Habsbourg dans sa galerie de peinture italienne』
ダフィット・テニールス (David Teniers II) が1651年に制作した『L'archiduc Léopold Guillaume de Habsbourg dans sa galerie de peinture italienne』(英語 Archduke Leopold Wilhelm (1614-1662) in his Gallery of Italian Paintings) です。
ヨース・デ・モンペル (Joos de Momper II)『バベルの塔』(La Tour de Babel)
ヨース・デ・モンペル (Joos de Momper II) が制作した『バベルの塔』(La Tour de Babel : 英語 The Tower of Babel) です。
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17〜18世紀絵画 (Oldmasters) (2階)
ルーベンスをはじめとするフランドル、オランダのほか、スペイン、イタリア、フランスの作品が展示されています。
ピーテル・パウル・ルーベンス (Peter Paul Rubens)『東方三賢王の礼拝』(L'adoration des mages) <53室>
アントワープの巨匠ピーテル・パウル・ルーベンス (Peter Paul Rubens) によって描かれた『東方三賢王の礼拝』(L'adoration des mages) です。
ピーテル・パウル・ルーベンス (Peter Paul Rubens)『聖リヴィヌスの殉教』(De marteling van de heilige Livinus) <53室>
『聖リヴィヌスの殉教』(De marteling van de heilige Livinus : 英語 The Martyrdom of St Livinus) は、フランドルのバロック期の巨匠ルーベンスと工房が、1633年頃に制作した絵画です。
ピーテル・パウル・ルーベンス (Peter Paul Rubens)『ゴスゴダへの道』(La Montée au Calvaire) <53室>
『ゴスゴダへの道』(La Montée au Calvaire : 英語 Assumption of the Virgin Mary) は、フランドルのバロック期の巨匠ルーベンスと工房が、1634年頃に制作した絵画です。
ピーテル・パウル・ルーベンス (Peter Paul Rubens)『聖母被昇天』(L'assomption de la vierge) <53室>
『聖母被昇天』(L'assomption de la vierge) は、ルーベンスと工房が制作した絵画です。ただし、制作年は不明です。
ルーベンスの大作が収められた大部屋 <53室>
ルーベンスの大作が収められた大部屋<53室>です。
ピーテル・パウル・ルーベンス (Peter Paul Rubens)『黒人の顔・四つの習作』(Quatre études d'une tête) <60室>
『黒人の顔・四つの習作』(Quatre études d'une tête : 英語 Four Studies of a Head) は、ルーベンスによって1614年頃に描かれた習作です。
ピーテル・パウル・ルーベンス (Peter Paul Rubens)『カトリック信仰の勝利』(Le Triomphe de la Foi catholique) <60室>
『カトリック信仰の勝利』(Le Triomphe de la Foi catholique : 英語 The Triumph of the Catholic Faith) は、宗教改革に対するカトリック信仰の勝利の寓意を表現した絵画です。
ジャック=ルイ・ダヴィッド (Jacques-Louis David)『マラーの死』(La Mort de Marat) <55室>
『マラーの死』(La Mort de Marat : 英語 The Death of Marat) は、フランスの新古典主義の画家ジャック=ルイ・ダヴィッド (Jacques-Louis David) によって1793年に描かれた、フランス革命の指導者ジャン=ポール・マラーの死を描いた油彩画です。
レンブラント (Rembrandt Harmenszoon van Rijn)『ニコラス・ファン・バンベックの肖像画』(Portrait de Nicolaas van Bambeeck) <45室>
レンブラント・ハルメンソーン・ファン・レイン (Rembrandt Harmenszoon van Rijn) によって描かれた『ニコラス・ファン・バンベックの肖像画』(Portrait de Nicolaas van Bambeeck : 英語 Portrait of Nicolaas van Bambeeck) です。
フランス・ハルス (Frans Hals)『Enfants de la famille van Campen avec une charrette tirée par un bouc』<45室>
17世紀のオランダで活躍した大画家フランス・ハルス (Frans Hals) によって1666年に描かれた『Enfants de la famille van Campen avec une charrette tirée par un bouc』(英語 Portrait of Children of the van Campen Three Children with a Goat Cart) です。
作者不明『Paysage antropomorphe. Portrait de femme』
作者不明『Paysage antropomorphe. Portrait de femme』です。
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マグリット美術館 (Le Musée Magritte)
マグリット美術館 (Le Musée Magritte) は、ベルギー現代美術を代表する画家の1人であるルネ・フランソワ・ギスラン・マグリット (René François Ghislain Magritte) の作品が集められている美術館です。マグリットは、時間を守る几帳面な性格で、普通の日常生活を大切にしつつ、スーツを着て絵を描いたそうです。
私は、古典美術館とマグリット美術館の共通チケットを購入して、両方の美術館を訪問してきました。なお、マグリット美術館と古典美術館は、地下で繋がっています。
以上は、古典美術館からマグリット美術館へ行く地下道の入り口です。
マグリット美術館は、美術館の入口から3階までエレベーターで上がり、あとは、時系列に従って作品を鑑賞するようになっています。以下では、各階ごとに、マグリット美術館のおすすめ作品をご紹介いたします。
3階のおすすめ作品
ルネ・マグリット (René Magritte)『海から来た男』(De man van de wijde zee)
ルネ・マグリット (René Magritte) が1927年に制作した『海から来た男』(De man van de wijde zee : 英語 The Man from the Sea) です。
ルネ・マグリット (René Magritte)『秘密の選手』(Le Joueur Secret)
ルネ・マグリット (René Magritte) が1927年に制作した『秘密の選手』(Le Joueur Secret : 英語 The Secret Player) です。
ルネ・マグリット (René Magritte)『イメージの裏切り』(La Trahison des images)
ルネ・マグリット (René Magritte) が1929年に制作した『イメージの裏切り』(La Trahison des images : 英語 The treachery of Images) です。
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2階のおすすめ作品
以下で紹介する作品のほか、『黒魔術』(La Magie noire : 英語 Black Magic) も紹介したいところなのです (写真は撮影したのです) が、おそらくGoogle アドセンスに引っ掛かる可能性があるということで省略しています。
ルネ・マグリット (René Magritte)『ジョルジェット』(Georgette)
ルネ・マグリット (René Magritte)が1937年に制作した『ジョルジェット』(Georgette) です。なお、ジョルジェットは、ルネの幼なじみで、1922年に結婚をしました。なお、ジョルジェットは多くのマグリット作品に登場する女性像のモデルとなっています。
ルネ・マグリット (René Magritte)
ルネ・マグリット (René Magritte) が1937年に制作した『スザンヌ・スパーク』(Suzanne Spaak) です。
ルネ・マグリット (René Magritte)『帰還』(Le retour)
ルネ・マグリット (René Magritte) が1940年に制作した『帰還』(Le retour : 英語 The Return) です。マグリットの代表的な作品の1つです。
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ルネ・マグリット (René Magritte)『アルンハイムの領地』(Le domaine d'Arnheim)
ルネ・マグリット (René Magritte) が1962年に制作した『アルンハイムの領地』(Le domaine d'Arnheim : 英語 The Domain of Arnheim) です。
ルネ・マグリット (René Magritte)『接吻』(Le baiser)
ルネ・マグリット (René Magritte) が1938年に制作した『接吻』(Le baiser : The Kiss) です。
ルネ・マグリット (René Magritte)『光の帝国』(L'empire des lumières)
ルネ・マグリット (René Magritte) が1953-1954年に制作した『光の帝国』(L'empire des lumières : 英語 The Empire of Light) です。
地下階
地下階のところには、マグリットの写真が掲げられています。
【フランドル絵画の名作が充実】ベルギー王立美術館 (Musées Royaux des Beaux-Arts de Belgique)
ベルギー王立美術館 (Musées Royaux des Beaux-Arts de Belgique) は、古典美術館、世紀末美術館、マグリット美術館、現在美術館など、6つの美術館から構成されていますが、私が訪問した、15世紀から18世紀までの作品を収めた古典美術館 (Musée d'Art ancien / Museum voor Oude Kunst) と、マグリット美術館 (Le Musée Magritte) は、どちらも充実していたと思います。絵画に興味があるという方は、ベルギーの首都ブリュッセルに滞在する機会に恵まれた際には、ぜひベルギー王立美術館 (Musées Royaux des Beaux-Arts de Belgique) を訪問してみてください。
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